CTOの川村です。3月で2018年度の上半期が終了しました。以前「2018年上半期エンジニア個人目標〜設定編〜」にて、「半期後に目標設定の振り返りをこのブログでまとめます。興味を持って頂けた方は来年4月辺りにまたご覧下さい!」と宣言していました。
気づいたら既に6月。。。大分遅れてしまいましたが振り返りについてまとめたいと思います!
【アンケート結果】
今回の形式で目標設定を実施してみてどうだったか、アンケートを取ってみました。
Q1. 目標設定をやってみてどうでしたか?
概ね良い評価をもらうことが出来ました。
ただ、最も高い評価である『とても良かった』が0票、『とても良くなかった』にも1票入っている、という点が気になるところ。
Q2. 次半期も目標設定をやりたいと思いますか?
『やりたい』が過半数を越えているものの、消極的な評価がやや多いかなと感じる結果となりました。
Q3. 目標設定をやってみて良かったと感じた部分を教えてください
ここからは記述式となります。
- 仕事に対して目標を高く持つきっかけになった
- 自分のやりたいこと、やるべきことを整理出来てよかった、やることが明確になった
- 目標設定が無ければ考えもしなかったチャレンジが出来た
- 他の人が何を考えているか?を知ることが出来た
- OKRが良かった
等。
目標設定の目的の一つに『もっと人が成長する組織にする』を掲げたのですが、それに繋がる効果を感じてくれた人は一定数いたようです。
反面、Q2の回答結果も踏まえると、大きな成長や成果を強く感じられた人が少なかった、ということかなと考えます。
Q4. 目標設定をやってみて良くないと感じた部分を教えてください
- 目標を途中で忘れてしまった
- 通常業務で時間の余裕が無く、たくさん目標を立てても立てただけになる
- 会社にとってどれだけ意味のある目標が立てられたのか分からない
- 実務と離れた内容を目標にするのは違和感がある
- 達成度(S、A、B、C、D)のレンジ設定が良くなかった
- KRの粒度が人によってバラバラ
- 貢献軸の分け方が難しかった
等。
こちらは改善のヒントがたくさん得られる結果となりました。
Q5. 次半期にまた目標設定をやるとしたら、どんなやり方にしたいですか?何か希望やアイデアがあれば教えてください
- 目標はもっと絞った方が良いかも
- 記入欄がたくさんあると埋めなきゃいけない気になるので、欄を少なくしてはどうか
- 進捗確認はもっと細くやった方が良いのでは
- 他者からの目標レビュー/アドバイスの時間がもっとあると良い
- 共通の目標を持っている人とは協力してブーストかけたい
等。
Q4の改善点に加えて、新しいアイデアをもらうことが出来ました。
【次半期の目標設定方法を考える】
それでは、ここからはアンケート結果を踏まえて私が考えた結果をいくつか書いていきます。
1. 目標設定の目的を再定義する
目標設定の意義について全員が納得している状態を作りたい、と考えました。
そこで、前半期は目標設定の目的を『成長』『成果』『働きがい』の3軸で定義していましたが、よりポイントを絞ってシンプルに伝えるため、下記の1つの軸に絞りました。
日々の成長を最大化させる
また、組織にとってのプラスより、個人にとってのプラスにフォーカスすることで、目標設定の意義を強く感じられるようになるのではないか?と考え、「組織」という言葉を消しました。
2. Key Resultの定量化が難しい(何より私がとても下手だった)
KRの定量化が上手く出来ていないと、やはり半期末の振り返りも上手くいきませんでした。
定量化のコツを私も掴めておらず、個々のKRに対してあまり良いフィードバックが出来ていませんでした。
Key Resultなので『結果』なのですが、結果と言うよりも『ゴール』という言葉にした方が私は考えやすくなりました(それ同じことだから、と思われる方もいるかもしれませんが笑)。
また、無理に定量化するのではなく、状態を定義する、でもOK。
今期の目標設定すり合わせでは、KRの定量化が不十分だなと感じた場合は『何が出来たらゴールですか?』『どういう状態になっていれば達成していると言えますか?』『達成度合いの判断基準って何になりますか?』という質問を繰り返すことで、前期よりは上手く定量化出来たのではないかと感じています。
3. 目標を忘れてしまう原因と対策
目標を忘れてしまう原因の一つとして、『目標を意識する/振り返る機会が少ない』ことが挙げられると考えました。
弊社では月一面談を行っていますが、その場は目標の振り返りを目的としたものではないので、目標を意識する機会にはなっていませんでした。
また、半期の中間地点で目標進捗確認のMTGを設けていたのですが、それだけでは不十分だったようです。
そこで、目標設定シートに毎月の振り返り欄を設け、毎月末に記入してもらうルールとしました。
4. 本当にやりたいことだけに絞る(内発的動機を大切にする)
真面目な人、意欲の高い人ほど目標をついたくさん書いてしまう傾向があるのではないかと思います。「チャレンジングな目標を立てよう」と伝えていたので、通常業務から離れたチャレンジを立てすぎたケースもありました。その結果、着手しきれなかったり、やりきれなかったり、ということが発生しました。
また、そもそもあまりモチベーションの高い目標が立てられていない場合、先程の「目標を忘れてしまう」ことにも繋がってしまいました。
そこで、今期は目標の数を絞ること、よりモチベーションの高い目標だけ立てること、を目指して
- シートの目標記入欄を減らす(ただし、増やしても全く構わない)
- 貢献軸で分けない(自由に考えてみてもらうため)
という変更を加えました。
5. 目標設定シートのブラッシュアップ
色々なブラッシュアップを行い、今期は下記のようなシートを使って目標設定を行っています。
ちなみに、前期のアンケートで「とても良くなかった」と回答した人に今期のやり方について感想を聞いてみたのですが、完璧に納得とはいかないものの、前期よりポジティブに捉えられるようになった、とのことでした。
6. ムービングモチベーターズで自分自身を知ってもらおう
今回は目標を考える前に、チーム毎に『ムービングモチベーターズ』を実施しました。
ムービングモチベーターズとは
- Management3.0のプラクティスの一つ
- モチベーションを可視化するための簡単なワークショップ
- モチベーションの源泉となるキーワードが書かれた10枚のカードを順番に並べ、なぜその順番に並べたのかを理由と共にチームに共有する
というもの。
モチベーションの高い目標を立てるには、まず自分のモチベーションがどこにあるか?を知ることが必要ではないかと考え、実施することにしました。
お互いの理解を深める機会にもなり、「面白かった!」「やって良かった!」という声がたくさん挙がりました。
【今後の目標設定】
今回の振り返りで、そもそも目標設定って必要なのか?続ける?やめる?ということも考えましたが、
- 必要不可欠ではないが、あったらより良いもの
- 自分自身が目標設定による変化を感じている
- GRIPHONEを人が成長出来る場所にしたい
等の理由から、私としては『続けたい』という結論に至りました。
今期は目標の中身や達成度を半期末の査定に影響させません、と明言しているのですが、目標設定を『評価の指標ツール』でなく、『成長を加速させるツール』として捉え、今後も定期的にブラッシュアップしながら続けていきたいと思います。