Regional Scrum Gathering Tokyo 2020に参加してきた! – Day2

グリフォンでスクラムマスターをやっております鑓水です。
今回は前回に引き続きRegional Scrum Gathering Tokyo 2020 Day2の簡単なレポートをします。

Regional Scrum Gathering Tokyoとは

Day1の記事を参照してください。

セッション紹介

Lost in Translation: The Manager’s Role in Agile

本日のkeynote発表者はMichael Sahota氏

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/13335/lost-in-translation-the-managers-role-in-agile

アジャイル組織におけるマネージャーの役割とは?というテーマについての発表。
「自律型組織を最初に目指すのは罠」
「相互依存の組織を目指すのも罠」
これらは遠く目指すものであってNext Actionではない。
いきなりそういう組織にしてもメンバーが準備ができておらず失敗するだけ。
まずは「従来型の組織階層をひっくり返す」こと。

この話を聞いて今まさに自分がその罠に嵌っていることに気づかされました。
今回自分にとって初見の知識であるXY理論が登場。
アジャイル組織へのTransformationもアジャイルに行っていく意識が必要で、XからYへ漸進的に変革を起こしていく。(Red -> Orange -> Green -> Teal)
そうするためにはまずはリーダーから変わっていく必要がある。
リーダーがXからYに移行することで周りもついてくる。
ただ、リーダーやトップが変わるべきだ!と指差した手の3本は自分を指していることを忘れてはいけない。まずは自分が体現することが大事。

終始「アジャイルは人が重要である」とSahota氏が熱弁していたのが印象的で「アジャイルは種、土は健全な組織文化」
Sahota氏の人を思う優しさの溢れる素晴らしいセッションでした。

日本にJoy,Incを創る!僕らのジョイインクジャーニー3年間の軌跡

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11835/joyinc3

かの有名な著書「Joy,Inc.」を読んで感銘を受けた登壇者が、自身が経営する会社をカイゼンしていったストーリーを紹介するセッションでした。
アンケートとったり、エンゲージメントスコアをとったりしていて組織がうまくいっているのかを定量化しているのはすごい大事な姿勢だと思った。
社長自ら改善していこうって姿勢を見せるのが肝かなと。
組織が変わるためにはまずトップからを体現している良い例でした。
発表資料はコチラ

組織変更して部長がいなくなってから起きたこと

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/12601
サイボウズの事業転換期における組織変革についてのセッションでした。
アジャイルな組織に変遷していく中で、部長の役割が希薄になりあまつさえボトルネックになったため、部長という役職をなくし、役割を再分配したという内容です。
チームに予算や採用の権限を移譲したという話が興味深かったです。

大企業の縦割り組織の中でProduct Discovery Teamを作ってサービスをリリース出来た話

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/12093/product-discovery-team
楽天市場における「ユーザーが店舗と直接メッセができる機能」をリリースした時の組織作りの内容を紹介するセッションでした。
ステークホルダーがとても多く進めづらい開発現場の中で、
トヨタ主査とProduct Discovery TeamとLeSSを組み合わせればいい感じになるのでは?
という気付きから組織を変革し、結果CVRを前身の機能の4倍という結果を出したというストーリーから、
登壇者の方が様々な手法を学び、理解し、工夫して実践されている事が非常に良くわかりました。
また、このセッションでは大事なことはプロダクトへの「」だと語られており、
「会社、チームを愛しているか?」
「愛する仲間はいるか?」
というドキッとさせられる言葉を投げかけて終わったのが印象的でした。
スクラムでもなんでもプラクティスに目が行きがちですが、それらは全て「愛を育むプロセス」であることを忘れてはいけないなと考えさせられました。
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Going Agile with Tools – たまにはツールの話もしようぜ

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11851/going-agile-with-tools-
「ツールが使いこなせていないのはチームが機能していないからです」という非常に耳が痛くなる内容がメインテーマのセッションでした。
どういう場面でツールを導入した方が良いのか、その勘所などを紹介してくださいました。
「なぜツールが普及しないのか」「なぜこのツールを導入する必要があるのか」といったつい最近自分がぶち当たった問題への考え方がうまく言語化されており、非常に学びになるセッションでした。
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【元士官が語る】軍隊組織からみる、これからのアジャイルのあり方

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11876
韓国の軍隊での日々の業務とスクラムのプラクティスを比較して、うまく活かせそうなものを紹介するセッションでした。
意外や意外、軍隊で行われていることとスクラムのプラクティスはかなり似通っているそうです。人の入れ替わりが多い軍隊でいかに「勝ち続ける」チームを創ることができるのか。そこで工夫されていることは現在の日本企業でも実践できそうなことばかりで眼から鱗の45分でした。
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10年たってやっとアジャイルがわかりかけてきた話

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11791/10
受託開発者から経営者に変わり、アジャイルやスクラムが実践しやすい組織体がどういうものかわかってきたという内容セッションでした。
・ビジネスに対して責任を持ってプロダクトを作れる状況にアジャイルは合う
・チームづくりや組織づくりの基本は対話
という知見を改めて得ることができました。
同じく自社サービスを開発している自分にとって共感できる話が多く、とても勇気づけられるセッションでした。
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最高のScrumキメた後にスケールさせようとして混乱した(してる)話

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11822/scrum
しくじり先生をオマージュした、ただひたすらにプレゼンが上手い!としかいえない非常に楽しいセッションでした。
とはいえ内容もしっかりしており、一つのチームで成功したスクラムを別のチームにスケールさせようとした時に失敗したケースが紹介されており、今まさに自分が「しくじっている」内容そのもので、今後どういうことをしていったら良いかの示唆を得られる素晴らしい発表でした。
発表終了後握手会が行われるなど、登壇者がコミュニティで非常に愛されているのだと感じさせらました笑。

感想

Day1に引き続きDay2もとても学びが多く充実した1日になりました。
2日間参加して、ひたすらに「楽しい」カンファレンスでしたが、ただ楽しいで終わらせず、今回学んだことを業務に活かせるように邁進したいと思います。