Management3.0 ワークショップ体験記

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CTOの川村です。最近、目標設定に関して色々と学んでいく中で『Management3.0』というワードをよく目にするようになりました。

Management3.0から、より高いモチベーションで働ける組織作りのヒントを得られるのでは?…ということで、先日ワークショップに参加して来ました!

※今回の記事内容は私個人の解釈を大いに含めて書いた部分がありますので、もしかしたらManagement3.0的に間違っている部分もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。

Management3.0とは


http://management30.jp/

公式サイトを見ると

クリエイティブ企業が実績を挙げるための世界27ヶ国で展開している進歩的なアプローチです

と書かれています。

私の解釈で書くならば、
 より幸せに
 よりモチベーション高く
 よりクリエイティブに
 働けるようにするためのマネジメントの考え方
といった感じ。

あくまで考え方であり、何か決まったフレームワークを指すのではない、というのがポイントかと思います。

そのため、ワークショップは『こうすればManagement3.0ですよ』『Management3.0の正しいやり方はこうですよ』という手法を教わるものではありません。数々のグループワークを通して参加者がManagement3.0を体験し、自ら気付きを得る、というアプローチとなっています。

 

Management1.0、2.0、3.0の違い

Managementの考え方は、1.0と2.0の段階を経て、3.0に至ります。

Management1.0

  • 完全なトップダウン
  • 人は機械の1つの交換可能なパーツであり、命令に従う事を要求される
  • マネージャーは人の監視/管理にフォーカスする

Management2.0

  • サーバントリーダーの重要性を認識している
  • 人々は最も価値ある資産であると認識している
  • 問題点に気づいてはいるが、それに対するアプローチが上手くいっていない、もしくは間違えている状態(※ここは個人的な見解含む)

※この2.0に対する捉え方は参加者からかなり熱く疑問質問が投げられていました

Management3.0

  • 人がよりモチベーション高く働く事を重要視している
  • 自己組織化され、働く人々自身で組織が管理された状態
  • マネージャーは人ではなく、システムの改善にフォーカスする

時代の変化とともにマネジメントの考え方も変化して来ています。
Management1.0の考え方が、組織の成果を最大化させるのに役立つ業務もある。そういった業務が世の中で溢れていた時代もあるでしょう。
ただ、時代が変化し、よりクリエイティブでイノベイティブな成果を求められるようになり、Management1.0より2.0、2.0より3.0、が必要になってきています。

 

ワークショップの流れ

『個別テーマに関する説明→グループワーク→振り返り』のサイクルを基本に、
いくつものグループワークを実施します。

1日目

  1. Welcome(Personal Map、Entry Survey 等)
    〜参加者自己紹介、掲示物の説明、ダイバーシティを知る、等〜
  2. Management & Leadership
    〜Management3.0とは〜
  3. Complexity
    〜複雑な課題に対する対処方法〜
  4. Motivation & Engagement
    〜仕事に対するモチベーションとエンゲージメントを高めるには〜
  5. Delegation & Empowerment
    〜権限委譲と自己組織化の重要性〜
  6. Impression Card
    〜インプレッションカードを使った1日目の振り返り〜

2日目

  1. Values & Purpose
    〜価値観、ビジョン、文化を育もう〜
  2. Scaling
    〜スケール可能な組織構造とは〜
  3. Learning & Competencies
    〜チームをコンピテンシーな状態にするには〜
  4. Success & Failure
    〜成功と失敗を振り返って学びを最大化する〜
  5. Conclusion
    〜2日目の振り返りと全体のまとめ〜

たくさんある中からいくつかピックアップしてご紹介します。

 

Motivation & Engagement
〜仕事に対するモチベーションとエンゲージメントを高めるには〜

Management3.0のプラクティスとしてよく知られている『ムービングモチベーターズ』を行いました。弊社でも以前、目標設定の際に実施したことがあります(2018年上半期エンジニア個人目標〜振り返り編〜)。

少しアレンジが加えられ、自分のモチベーションを紹介する前に、周りの人にベスト3とワースト1を予想してもらう、ということを最初に行いました。自分が周りからどう見られているか?を知ることが出来ます。

今回のワークショップでは初対面の人が多い状況でしたが、社内やチーム内でお互いをよく知っている人同士でやると、より面白い気付きが得られそうだなと思いました。

ちなみに、『Engagement』は日本語でそれに完全に適した単語が無いそうで、『思い入れ』や『愛着』が例として挙げられていました。『やりがい』、『熱狂』なんかも近いのでは?と私は解釈しています。

 

Impression Card
〜インプレッションカードを使った1日目の振り返り〜

1日目の最後にインプレッションカードを使った簡単な振り返りを行いました。

たくさんのカードの中から1枚を選び、絵柄と絡めて一言でまとめます。

私が選んだカードはこちら。

『1日目のワークショップを終えて、新しい武器を手に入れました。これからこの武器を持ってどの扉の先を攻めていくか(日々のマネジメント業務にどう活かしていくか)を考えています』と、まとめました。

皆さんの個性が表れる、面白い振り返り方法でした。

 

Scaling
〜スケール可能な組織構造とは〜

与えられた条件に則ってどういった組織体制を作るかを議論する、というもの。
条件は、

  1. 言語の異なる3ヶ国に事業を展開する企業がある
  2. 統括はある1つの国で担当する
  3. どういった事業を展開するかを決め、それに適した組織構造を考える

といった内容(ちゃんとメモしていなかったので間違ってるかも…)。様々な形、アイコンが書かれたカードを並べながら考えていきます。

大元のテーマが『Scaling』で、どういった構造にすれば組織が大きく成長していけるのか?を意識しながら考えていきます。

円滑なコミュニケーションを可能にするためになるべくパス数を短くする事(コミュニケーションパスが可視化されて考えやすい)であったり、それぞれの国での自己組織化、非トップダウン、等を大切にしました。

私達のグループで考えた、最終型がこちら。

カードの形に囚われない、柔軟な組織構造になった…と言っていいのかな(笑)。

 

まとめ

今回のワークショップはアクティブラーニングが強く求められるスタイルで、グループワークの細かい手引きは無く、参加者達自らで作り上げて行く必要がありました。私はこういったワークショップに参加する経験があまり無かったため、最初は少し面食らった部分もあったのですが、他の参加者の皆さんの姿勢に刺激され、積極的に参加する事ができました。グループワーク中の色んな場面で『自己組織化』がキーワードとして非常に重要でした。

また、このワークショップ自体がまだ成長段階にあるのかなという印象も受けました。
創始者がヨーガン・アペロさんというオランダの方で、そもそも日本とは異なる環境下で生まれており、また諸々のテキストが英語のため、翻訳が適切でなかったり、日本語に同じ概念の言葉が無かったり…という背景があります。
日本に合わせたローカライズは今後も進んでいくでしょう。いずれにせよ自分の組織に取り込む際に、それぞれに合わせたローカライズも必要だと思います。

ゲーム作りは非常にクリエイティブな仕事なので、Management3.0は親和性が高いはず。今後の会社、チーム作りに積極的に取り入れていきたいと思います。