2019年の振り返りと2020年の展望

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※画像はStudio MGCMより提供されている『マジカミ』のものです。

明けましておめでとうございます!CTOの川村です。

年始ということで、エンジニア視点での昨年の振り返りと今年の展望を簡単に書いてみようかなと思います。

2019年振り返り

昨年はDMM GAMESにてStudio MGCMから『マジカミ』をリリースしたのが、何より大きな出来事でした。
前身プロジェクトを含めると開発期間は約4年におよび、紆余曲折を経て完成したタイトルです。おかげさまで多くのユーザー様にプレイしていただいております。ありがとうございます。私も普通に1ファンとして非常に楽しんでいます。推しキャラは蒼、一番好きなBGMはサバトのDaylightです。

マジカミ開発の思い出

(いきなり2019年の振り返りではなくなってしまうのですが)

過去に弊社でリリースしてきたゲームは、ガラケーメインの時代に端を発するタイプのブラウザゲームです。
マジカミもブラウザゲームではありますが、クライアントをUnity(WebGLビルド)で開発し、3Dで表現するという点が非常に大きな変化でした。自分達にとっては未知の領域が広くて深く、たくさんのトライアンドエラーを繰り返して来ました。

現在、マジカミはPCブラウザでのみ提供しています。開発当初はPCブラウザ版とスマートフォンネイティブアプリ版を同時にリリースすることを検討していました。
ただ、PCブラウザとスマートフォンでは端末スペック上の制限が大きく異なっており、両方対応するとなった時に、ゴールとする表現の落とし所を決める事が非常に困難でした。そこで、ビジネス上の観点も踏まえ、完全にPCブラウザに振り切って技術仕様を決めていく、という方針を取ることとなりました。

開発をスタートした当時はとにかく知見が無く、幾度も技術検証を行ったり、実績のある会社さんにお話を伺ったり、WebGLとWebAssemblyについてMozilla Japanさんからご教示いただいたりと、情報収集に努めました。(ファミ通Appのこちらの記事を見たのをきっかけにMozilla Japanさんに問い合わせたところ、非常に快く相談に乗ってくださいました。その節は大変お世話になりました!)

最大限リッチな表現をしたいが、PCブラウザの制約の中でどこまで出来るのかが分からない。そのため、ゴールとなるクオリティが想像出来ない。敵も含めてキャラクターは何体表示出来るのかも分からず、ゲーム仕様を決めきることも出来ない。ここがまず立ちはだかった大きな壁でした。3Dの仕様が決まるまでに相当な苦労がありました。

技術検証を進め、プランナー陣、デザイナー陣と一緒に少しずつ落とし所を決めていきました。企画仕様を実現するため、特にキャラクターモデルに関してはfbxをそのままインポートするのではなく、別々に分離して保存したメッシュとボーンを実行時に組み合わせて生成する等、エンジニアの工夫が詰め込まれています。

開発当初はUnityのブラウザプラットフォームはUnity Web PlayerからWebGLに切り替わるタイミングで、WebGLビルドはベータ機能でパフォーマンスがあまり出ませんでした。
Unityのバージョンが進むにつれて徐々にWebGLビルドのパフォーマンスが改善され、WebGL2.0やWebassembyの対応などで更に向上していったことにも助けられました。
プレイ体感はもちろんのこと、仕様を確定させる要因にもなりました。

PCブラウザという限られた領域で言えば、他では見られないクオリティのゲームになったのではないかと思っています。

2020年の展望

事業について

既に公式生放送等で告知しておりますが、今年はマジカミのスマートフォンネイティブ版をリリース予定です。

ようやく、といった感じですが、弊社では初めてのスマートフォンネイティブアプリとなります。
PCブラウザ版とスマートフォン版でデータを同期し、両者で足並みを揃えた運用になります。
現在はプラットフォーム審査の必要無くアプリアップデートを行っていますが、これからは開発フローをスマートフォン版にフィットさせていかねばなりません。
様々な面でエンジニアリングの技術チャレンジが待っています。

スマートフォン版でより快適にユーザー様に楽しんでいただけるよう、開発チームで日々努力しております。ご期待下さい!

組織について

『組織デザインのアップデート』をテーマにした1年にしたいと考えています。

弊社が設立されてもうすぐ7年が経ちます。
設立当時は私も含めて中途社員や業務委託の方々しか居なかった組織ですが、今では新卒入社の社員がエンジニアの半数を占めるまでになりました。
若手社員のミッション設定も、抜擢と言うより個々の成長に伴って渡すべくして大きな役割を渡す、という状況に変わって来ています。

『個人の成長に蓋をしない』というのは組織作りにおいてずっと意識してきているポイントなのですが、若手だろうとベテランだろうと、さらなる成長を実現できる組織デザインを考えていきたいと思います。

最後に

こちら昨年作成したエンジニアミッションです(GRIPHONEエンジニアミッション会議)。

ゲーム業界トップクラスの開発力で、ユーザーとチームを幸せにする

このミッション実現に向けて、今年もエンジニア一同精進して参ります!!