GRIPHONEエンジニアミッション会議

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この記事は GRIPHONE Advent Calendar 2019 1日目の記事です。

CTOの川村です。先日、GRIPHONEのエンジニア全員で、エンジニア組織ミッションについて議論する会議を実施しました。この記事ではその会議内容について触れたいと思います。

エンジニアミッション会議 実施の目的

実施の目的は3点。

①エンジニア組織としてのミッションを明文化すること
②今GRIPHONEで働いているエンジニア全員の思いミッションを込めること

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③ミッションをより良い技術戦略立案に繋げること

近年CyberAgentのゲーム事業部では『ゲーム事業部に所属する子会社それぞれで3〜5年後を見据えた技術戦略を立て、発表し、お互いの戦略について議論しよう』という取り組みを実施しています。

GRIPHONEでも技術戦略を考えることとなったわけですが、技術戦略が事業の成長を支え、加速させると同時に、エンジニアがモチベートされる、そんな内容が理想です。事業面で言えば、事業戦略をエンジニアが経営目線でしっかり理解することが重要。モチベート面で言うと、エンジニア組織のミッション設定を明確にすることで導きやすくなるのではないか?と考えました。

また、ミッション自体もエンジニアがモチベートされるようなものである必要があります。
会社設立時にエンジニアミッションがしっかり考えられていれば良かったのですがそうではなく、既にある程度組織が形作られて多くの人が働いている状況ですので、

皆がどんなエンジニア組織を望んでいるのか?

を集めて反映させることが不可欠だと考えました。
『先にミッションがあり、それに共感する人を集める』のではなく、『先に人があり、そこに共通する価値観をまとめていく』というやり方です。

ということで、エンジニア全員でミッションについて議論する場を設けました。

議論のやり方

今回は@saito_takahiroさんの提案で、『Google re:Work』の『チームとビジョン設定を行う』をお手本に実施することとなりました。

皆で議論するのは良いけど、大人数になると議論をファシリテーションしていくのが非常に難しい。私達が実際にそうでしたが、経験が足りなくて良いやり方が分からないというチームには、このre:Workの内容は非常に助けになります。

タイムテーブル、進め方の資料、ファシリテーター向けの注意点等がまとまっており、それをそのまま実践すれば議論を進められるようになっています。
『コアバリュー』『パーパス』『ミッション』『ストラテジー』『ゴール』の全てを2日間かけて議論するものになっていますが、私達は今回は『コアバリュー』と『ミッション』の部分だけを抜粋し、re:Workの内容を踏襲しつつ、全体で3時間かけて議論を行いました。

議論は5人1組のグループに別れて実施しました。人のグルーピングはランダムではなく、議論が盛り上がりそうな組み合わせを意識して割り振り。ファシリテーター役もあらかじめ決めておき、進め方と内容について事前にすり合わせを行いました。

議論を通しての学び、気付き

モチベーションの共通項としてほぼ全員が持っていたのが、『とにかく面白いゲーム、凄いゲームを作りたい』というクリエイター魂です。自分達が作ったゲームを遊んでいただいたユーザー様に喜んでいただきたい、ユーザー様の目線に立ってゲームを作りたい、という熱意。ここは絶対にミッションに盛り込むべきエッセンスだと感じました。

それと同時に、成果/結果に対する強い拘りを持っている人が多いことも確認できました。多くの人に認められる、世の中に認知される、10年20年と長く遊んでいただけるゲームにしたい、自己満足で終わらせない、という思いです。前述した内容と似たものではありますが、少しベクトルが異なり、事業目線を感じる部分かなと思います。

次の大きな共通項は、エンジニアとして技術で認められる集団になりたい、ということ。凄いプロダクトを開発するために、エンジニアがどう貢献するべきか?ーやはり技術力が必要だという考えと、イチ技術者として大成したいという目標から来るものです。技術力が大事、というのは皆が思っていることではあるのですが、スキルアップに貪欲に取り組む文化や支援体制にはまだ課題があり、今後もっと改善していきたい部分です。

ユーザー様に楽しんでいただくのと同時に、自分の近くにいるチームの人達を助けたい、という意見に共感する人も多数。チームメンバーが良い関係性を築き、お互いに高いフォロワーシップを発揮して、楽しく仕事がしたい。
また、エンジニアが開発フローの改善や開発ツール等の充実で生産性を上げることで、より良いアウトプットに貢献したい。この発想はエンジニアならではのものかなと私は感じています。

良かったこと

手前味噌ですが、開発業務から離れ、こういった議論に時間をかけることにエンジニアの皆がポジティブに参加してくれるかどうかが少し不安だったのですが、そんな心配を他所に全員が非常に前のめりに議論に参加してくれました(感謝!)。おかげで議論は非常に盛り上がり、活発に意見が飛び交っていました。

目標設定等で個々のモチベーションや価値観について話す機会は増えているものの、組織全体の目線で話した時にはまた違った発見があったことも良かったです。相互理解がまた少し深められたかなと思います。

反省点

ミッションとは何なのか?という定義の説明は最初に行ったのですが、もっと時間をかけて説明するか、もしくはファシリテーター間で説明がズレないような状態まで準備し、グループ内で同様に説明が出来るようにしておけば、もっと良い議論になったと思います。

議論の中で行う各ワークの目的についても、説明が不十分だったかもしれません。ミッション策定にこのワークがどう繋がっていくのか?、ファシリテーター達が資料内の言葉でなく、自分達の言葉で説明出来るまでになっておくと、より良いと思います。

私達のように不慣れなチームの場合は、エンジニア全員で会議を行う前に、ファシリテーターだけで一度リハーサルを行っておくと良いと思います。実際にやってみないと進行上困ってしまう部分に気づけないなと感じました。

また、議論が盛り上がっただけに、隣のグループの議論が結構聞こえてきて気になってしまったため、もっと各グループのテーブルの距離を空けておくべきでした。

ワーディング

今回の会議を経て、ミッションを明文化するのがゴールです。集めたたくさんの意見を基に、分かりやすい言葉に落とし込む作業(=ワーディング)に入ります。このワーディングが非常に難しい。。。
会議の最後のワークでミッションの草案作成を行います。参加者全員で完成形まで持っていくのが理想だと思いますが、今回弊社では会議で作成した草案をベースに私が改めてワーディングし、それに対してエンジニアリーダー陣からフィードバックをもらってブラッシュアップしていきました。

ワーディングについてちょっと蛇足

CyberAgentグループ内でも、『リーダーは言葉の開発に努めよう』という考えが広く共有されています。
※丁度この辺りに触れている弊社取締役である曽山さんのメディア記事がありましたので、URLを貼っておきます。
https://bizhint.jp/report/31736?fbclid=IwAR3_EC9d92pNE35Lc1pLffQzW8hAbfzVUao_1_nzlwOADaWs6USnwlLl4s8#_=_

GRIPHONEエンジニアミッション

最後に、今回の議論を通して立てた私達のミッションがこちらです!
 

  
※『開発力』とは、エンジニアリングスキルだけでなく、開発手法、開発フロー、プロジェクトマネジメント、チームマネジメント、データ分析、生産性等、開発に関わるあらゆるものを総合した力と定義しています。

私達の現状を踏まえると『ゲーム業界トップクラス』というのは非常に遠い目標ではありますが、それくらい高い目標を掲げて個人/組織共に成長し、ユーザー様により良いプロダクトをご提供することに引き続き日々真摯に取り組んでいきます!