紙ヒコーキワークショップをやってみた

こんにちは!グリフォンサーバーサイドエンジニアの鑓水です!

今回はグリフォン社内でアジャイルのスクラムのワークショップとして有名な「紙ヒコーキワークショップ」を実施しましたので、その内容を紹介しようと思います!

紙ヒコーキワークショップとは?

紙ヒコーキ作り&テスト飛行そして振り返りをすることで、スクラムのプロセスを疑似体験することができるワークショップです。

必要なもの

  • メジャー×1
  • マスキングテープ×1
  • ペン×(チーム数)
  • ハサミ×(チーム数)
  • A4用紙×(チーム数)×60

これだけです!

ルール

このワークショップの基本的なルールは、
「1チーム3名〜4名ほどに別れ、なるべく沢山3メートル以上飛ぶ紙飛行機を作る」
ことです。

ただし付随して下記のルールがあります。

  • A4紙を4つに切って使用する
  • 同じ紙を連続で折ってはいけない(一度折ったら他のメンバーに紙を渡す)
  • ハサミで紙ヒコーキの先端を丸く切る
  • 一度飛ばした紙ヒコーキを再利用してはいけない
  • 各スプリント終了時に作成したものは全て破棄する

上記のルールを守りつつ作業を進めて行きます。

(上記のルールが実際のプロジェクトにおける制約を意味しています。)

進め方

  • 計画 1分
  • 実施 3分
  • 振り返り 2分
    ※上記を4セット行う

これはスクラムで4スプリントを回すことの疑似体験です。
計画ではチーム内でどのように紙ヒコーキを作るのかを決めます。
実施では実際に紙ヒコーキを作り飛ばします。
振り返りでは、実施内容を振り返り改善を行います。

各スプリントの結果

今回は2チーム(Aチーム・Bチーム)で実施することになりました。
ここでは各スプリントの結果と、参加者の振り返りを紹介します。

第1スプリント

Aチーム

結果

※3m超えた数 / 量産した数
予想:3/10 

実績: 0/5

振り返り

  • 何もかもが手探り状態で開始したので、とりあえず作って見よう!という感じでした。
  • 始まると時間短いな、思ってより作成できないな、飛ばないなと色々でてきて振り返れたのがよかった。
  • 見積もりと全然合わないなと思いました。

Bチーム

結果
予想:2/5

実績:1/4

振り返り

  • アプリの初期段階と一緒で想像を積み上げていく形での見積もりしか出来ずにかなり精度の低い見積もりになってしまった。
  • 第一スプリントの振り返りあたりからやっと建設的な話が出来るようになってきたので一旦やってみることの重要性を改めて認識しました。

第2スプリント


Aチーム

結果
予想:1/4

実績:2/3

振り返り

  • 1回目の振り返りである程度、時間配分がわかってきたので、1回目で作った形じゃないヒコーキで試して見ようと!チャレンジできたのがよかった。
  • 1スプリント目を活かして先っぽをねじってみるも効率があまり上がらず、どうしたらよいかよくわからなくなってました

Bチーム

結果
予想:5/6

実績:3/5

振り返り

  • 第一スプリントで良い感じの形を発見できていたのであとはそれをどう効率よく作っていくかみたいなところに焦点をあてて話することが出来たのがよかった。
  • その反面早めに形を決めすぎたから達成できなかったこともあるので今思うと第2スプリントもチャレンジに使ったほうが良かった。

第3スプリント

Aチーム

結果
予想:2/4

実績:1/4

振り返り

  • 飛行機の折り方のみならず、紙の切り方や折る手数を少なくするなど最小工数も意識しつつルールの抜け穴などを活用した。
  • チームで相談すると、それイイネという意見が短時間でも上手い具合に出てきたのが、より楽しく思えました。
  • 結果はなかなか上手く行かなかったですが、徐々にアップデートされる手順を楽しんでました。

Bチーム

結果
予想:5/6

実績:6/6

振り返り

  • 第1、第2スプリントの結果を踏まえて見積もりとほぼ同じ精度で実施出来た。
    ここらへんまでくると改善点も細かくなってくるのですが、逆に大きな改善には意識が向かなくなってくるのを気をつけようと思いました。
  • 紙の切り方を大胆に変更して大幅な工数短縮が実現できたのは、いい機転だと感じました。
  • 効率化という面ではやり方よりもやる人が効果的な場合もあることを実感しました。

第4スプリント


Aチーム

結果
予想 :8/8

実績:2/6

振り返り

  • 集大成として、折った飛行機すべてを成功させようとしたが、意外と飛ばし方でミスしたり、製作工程でミスがあり、やはり結果を出すことは出来なかった
  • 紙を重ねる方法で飛ばした数は増えたものの成果はあがらず。もっとイテレーションしたかったです。

Bチーム

結果
予想:8/8

実績:5/8

振り返り

  • 個数をあげようとして雑になってしまい成功率が下がってしまった。
  • 何を成果とするのか(飛ばせた個数なのか成功率なのか両方なのか)という話し合いが最後まできなかったのが良くなかったなと思います。
  • 最大化を目指したスプリントでしたが、第3スプリントとはちがい、自分たちで方法を模索しなければならない回でした。3回目のやり方を崩さずに、フラットな頭にして、整然と作業することで、8/8はできなくはないと感じました。

参加者の感想

  • 業務で組んだことがない2人との取り組みでしたが、その中でも自分にはない発想や主張で楽しく取り組むことが出来ました。チーム目的を明確に定めてからは、より一体感も感じられて短時間でチーム作りやチームとしての歩み方の理想基礎形を感じられたのはいい体験でした。
  • 簡単な内容でも見積もりの精度が上がっていくステップが実感できたり、暗黙で制約をかけてしまっている点に気付かされて学びになりました。
  • 少しの工夫でも成果に大きく影響が出ることがあって、実業務でも常に工夫することを考えていきたいなと思いました。
  • ワークショップ形式の研修みたいなのは初めてでしたが、楽しく学べていいなと思いました。
    もっと規模広げて職種混合のチームで開催できるとチームワーク強化の点からも良さそう。
  • 楽しかった!!

まとめ

やることは紙ヒコーキを作って3m飛ばす、というだけでしたが、
計画と振り返りを行うことでスクラムの本質を体感できました!

また、個人的な考察になりますが、このワークショップを通して実プロジェクトに対して、

  • プロジェクトの制約(スケジュール、コスト、品質etc)に暗黙の制約をかけていないか。
  • 制約を外すとどれくらい生産性が上がるのか。実プロジェクトでそれは可能か。
  • 土壇場で業務フローを変えることは生産性を大幅に下げる危険性がある。

といったような知見や視点を得ることができました!

そして何より楽しいです!!

非常に手軽に行えるので、みなさんも是非やってみてはいかかでしょうか!!